議会委員会 議事録
 
2016年 03月 14日(月)
厚生委員会質疑



〇島田委員 このたび、多摩メディカル・キャンパスあり方検討会が開催されまして、報告がありましたので、この件に関しましてお伺いをいたします。
 まず、難病総合医療センターについてお伺いします。
 昨年一月、難病の患者に対する医療等に関する法律が施行され、対象疾患が五十六疾病から三百六疾病に拡大されました。これによりまして、難病認定の患者数は全国ベースで約七十八万人から約百五十万人に増加するというふうに推定をされています。
 一方、都におきましては、現在、九万人が認定されておりますが、対象疾患の拡大に伴い認定患者数も増加していくものと考えられまして、今後、難病医療のニーズはますます高まっていくと考えられます。
 さらに、昨年九月には、同法に基づき難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針が定められまして、国や地方公共団体が取り組むべき方針が示されました。まさに我が国の難病対策が約四十年ぶりに大きく変わろうとしており、難病対策を強化していくには最も適した時期だと考えております。
 こうした背景を踏まえまして、検討会の報告書では、難病総合医療センターの整備に当たりまして、現在、多摩総合医療センターで実施しているリウマチ膠原病系や消化器系の難病に関する入院及び外来の機能と、神経病院の医師が多摩総合医療センターで実施している神経系難病の外来を難病総合医療センターに移管しまして、専門性の高い外来を実施するというふうにあります。
 しかしながら、難病の診療には専門的な医療だけでなく、総合診療基盤を有する多摩総合医療センターとの連携も、引き続き重要であるというふうに思いますが、具体的にどのような連携を実施していくのか、お伺いいたします。

〇高野経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在、神経病院と多摩総合医療センターの間では、神経難病患者の外来診療のほか、神経難病患者に対する合併症の治療、多摩総合医療センターの診療における神経内科分野からのコンサルティングなど、互いの機能を生かした連携を行っております。
 難病総合医療センター整備後におきましても、多摩総合医療センターの有する総合診療基盤との連携は不可欠であると認識しております。
 このため、難病総合医療センターへの外来整備後におきましても、地域の医療機関で診断がつかない患者や難病疑いの患者につきましては、多摩総合医療センターの各診療科と連携し、総合的な観点から診断を実施してまいります。
 また、難病患者が合併症を併発した場合には、引き続き多摩総合医療センターの総合診療基盤との連携により、適切な治療を実施いたします。
 なお、神経病院、多摩総合医療センターでは、電子カルテ等診療情報や画像情報の相互閲覧を可能にするなど、システム的な面からも連携の一層の強化を図ってまいります。

〇島田委員 ご答弁いただきましてありがとうございます。難病総合医療センターの高い専門性と、多摩総合医療センターの高度な総合医療の連携によりまして、難病医療の一層の充実を図っていくことを期待しております。
 次に、小児総合医療センターとの連携について質問をいたします。
 難病は、治療法が確立されていないため、小児期に発症した難病患者は、大人になっても継続して治療を受け続ける必要があります。小児科と成人の診療科のどちらで診療を受けるのが望ましいかはケースにより異なるというふうに思いますが、小児科と成人の専門診療科が連携を強化し、適切な時期に成人の専門診療科で診療を行える体制を整えることも重要と考えます。
 そこで、小児総合医療センターと難病総合医療センターの連携により、こうした体制が確保されるのではないかと考えますが、見解をお伺いします。

〇高野経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 小児期に発症した難病患者は成長と発達を踏まえ、また、疾病の状態の変化に合わせた医療が必要でございます。
 このため、現在、小児総合医療センターと多摩総合医療センターにおいては、小児科と成人の診療科を子供の成長に応じ適切に橋渡しをする、いわゆる移行医療を重点医療に掲げ、小児医療と成人期の診療の連携に努めております。
 両センターでは、移行医療を円滑に進めるためのツールの開発や、研修体系を実施をするために、国が実施しているモデル事業に共同で参画し、移行医療の円滑な実施に向け取り組んでおります。
 今後は、先行して実施をしている両センターの取り組みで得られた成果や課題を踏まえ、難病総合医療センターにおきましても、小児総合医療センターと連携し、小児期に難病を発症した患者に対し、成人後も継続して、より適切な医療の提供に努めてまいります。

〇島田委員 多摩総合医療センターと小児総合医療センターで実施している取り組みを、このたび充実される難病総合医療センターにも広げまして、多摩キャンパス全体で、他の病院のモデルとなるように取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 さて、今回の報告書では、難病総合医療センターは都の難病医療の拠点として整備するとのことであります。難病は極めて希少な疾患や、診断や治療に多くの診療科が必要な疾患もあり、高い専門性と経験が必要な分野であります。
 また、長期療養が必要になることから、地域医療においても難病に関する知識やケア技術など高い専門性が求められます。
 このため、地域において難病に精通した医療関係者を育成し、質の高い難病医療を提供していく必要があります。難病総合医療センターは、都における難病医療の拠点として、都全域の難病医療の質の向上を図っていくことが求められると考えられますが、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

〇高野経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 難病医療は、高度で先進的な医療の提供と地域における在宅療養を支える環境が切れ目なく提供されることが重要でございます。
 区部におきましては、大学病院など高度な医療を提供している病院が多いため、高度な難病医療は、こうした病院でも実施をしております。
 一方、難病患者は地域に戻った後も高度な医療を必要とする場合もあり、在宅療養を積極的に支援、実施してきた地域の医療機関は少ない状況にございます。
 このため、難病総合医療センターでは、神経病院が開設以来培ってきたノウハウを、都内の医療機関を対象に研修会や講演会などを通じ、都内の医療機関に広く発信し、地域で在宅療養を支える人材の育成に取り組んでまいります。
 また、難病総合医療センターの医師と、他の都立、公社病院において難病を取り扱う医師との合同症例検討会を実施するなど、相互に質の高い医療が提供できるよう努めてまいります。

〇島田委員 これまで実施してきました豊富な診療実績とノウハウを都全域に発信しまして、都における難病医療の水準の向上を図ってほしいとお願いしておきます。
 難病総合医療センターの整備に当たりまして、一点要望しておきます。先日、今回の改築の対象となっております神経病院を視察させていただきました。実際に施設を見て、施設は老朽化し、使い勝手が悪くなっている部分がかなり出ているようでありました。
 しかし、そのような中でも、現場の方々は、さまざまな工夫をして、療養環境の向上に努めておられました。
 特に印象的なものとしては、神経病院では、取り扱う病気の性質から、自分で手足を動かすことができず、トイレでも他者の介助がなければ一人で座っていられないような方が多いようであります。こうした患者でも一人で用を足せるよう自動車のシートベルトをトイレに取りつけるなど、患者の安全性の確保とプライバシーの保護を両立させるよう工夫をされておりました。
 改築に当たっては、現場の声をよく聞き、これまでのさまざまなノウハウを生かした整備を行ってほしいということを、この際要望させていただきます。
 次に、東京医師アカデミーについてお伺いいたします。
 多摩メディカル・キャンパスあり方検討会の報告書を拝見したところ、整備に当たっての基本的な考え方として五つの視点が掲げられております。
 そのうち、視点2として、東京医師アカデミーを活用した多摩地域の公的病院との連携を強化していくとあります。この取り組みを具体化していくためには、各地域の医師の状況をしっかり把握した上で事業化していく必要があります。
 一方で、多摩キャンパスは多摩地域の医療拠点でありますから、所在する医療圏だけでなく、多摩全域の状況を把握した上で事業を実施していくことが重要であります。
 私の地元であります西多摩二次保健医療圏にある病院からは、医師の確保の厳しさについてよく話を聞きます。
 そこで、多摩地域及び西多摩二次保健医療圏におきまして、現在の医師の状況がどのようになっているのか、お伺いいたします。

〇高野経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 厚生労働省の平成二十六年医療施設調査及び病院報告によりますと、区部には、大学病院など大規模な病院が多くあることなどから、多摩地域の医師数は区部の約三割で、これを人口十万人当たりの医師数で見ますと、多摩地域の医師数は区部の約六割となります。
 西多摩二次保健医療圏の医師数は約八百人で、多摩地域の医師数全体の約一割でございます。これを人口十万人当たりの医師数で比較をいたしますと、西多摩二次保健医療圏は二百一・八人、一方、多摩地域の平均では二百四十・二人でございまして、多摩地域の中でも医療圏ごとに差がある状況にございます。

〇島田委員 今、ご答弁いただきましたけど、区部に比べて多摩地域は医師の割合が少ないと。さらに、多摩地域の中で、西多摩地域の医師の割合がまたさらに少ないということでございます。区部と比べましては、多摩地域の医師の状況、まだまだ厳しい状況にあるというふうに感じております。
 実際、西多摩地域では、数年前に公立阿伎留医療センターや公立福生病院において、医師不足により一部の診療科が閉鎖になるというような事態が起きたことがあります。多摩地域の公的病院は、医師の確保に非常に苦労しておられます。こうした点でも、今回の視点は、多摩地域にとって非常に重要な取り組みとして期待をしております。
 そこで、東京医師アカデミーを活用した多摩地域の医療機関の公的病院との連携強化に当たりまして、どのような取り組みを検討していくのか、お伺いいたします。

〇高野経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都では、平成二十年に都立、公社病院合わせて約七千床のスケールメリットと豊富な症例を活用した東京医師アカデミーを開講し、都立病院と公社病院が連携して専門医の育成を行い、これまでに約三百五十名の修了生が都立、公社病院を初め、さまざまな医療機関で活躍をしております。
 今後の育成に当たりましては、すぐれた臨床能力を身につけることに加え、幅広く地域医療を学び東京の医療状況を理解するなど、医師としての視野を拡大することが必要でございまして、多摩地域の公的病院で、医師アカデミー生が研修する機会を設けることを検討してまいります。
 また、今後強化する機能も含め、多摩キャンパスの医療機能を活用し、多摩地域の公的病院の研修医の受け入れや総合臨床研修など、ニーズの把握や条件整備の上、相互に協力した医師の育成についても検討してまいります。

〇島田委員 ぜひ、多摩地域の医療人材の向上について、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
 最後に、多摩地域の医療水準の向上に向けた取り組みについてお伺いいたします。
 多摩地域は非常に広域であるため、多摩キャンパスの機能が強化されても、高度な医療を受けるために、特にお年寄りは時間をかけて通わなければなりません。今後、高齢者がふえていけば、より身近なところで高度な医療を受けたいというニーズは高まっていくというふうに考えております。
 そのためにも、地域医療の質を底上げしていくことが重要となりますが、多摩キャンパス総体としまして、今後、多摩地域の医療水準の向上にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

〇高野経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩地域は、高度な医療を提供する病院が区部と比べて少なく点在もしているため、多摩地域の医療水準の向上には、多摩キャンパスにおいて、より高度で専門的な医療を提供するとともに、地域医療機関との緊密な連携を一層推進していくことが必要でございます。
 このため、重症度の高い急性期医療を担い、がん、救急、周産期などの医療機能のさらなる高度化を図るとともに、小児や難病等の希少疾患に対しても、より先進的で専門性の高い医療を提供してまいります。
 また、多摩キャンパス内の各施設の連携体制を一層強化し、総体としての医療機能を最大限発揮してまいります。
 このように強化をいたしました多摩キャンパスの各施設が、地域医療の中核となる公社病院を初め、地域医療機関との連携を一層推進することにより、多摩地域の医療水準を向上してまいります。

〇島田委員 多摩地域の医療水準を向上するには、医療が高度化した多摩キャンパスが、地域医療機関と緊密な連携体制をとることで、多摩地域の医療水準の向上を牽引してほしいということ、このことを強く要望いたしまして、質疑を終わります。


 
議事録

都議会厚生委員会質問内容

第2回定例会一般質問

厚生委員会質疑

2015年12月9日 島田都議 一般質問を行いました

第3回定例会 島田幸成都議 一般質問を行いました

平成26年3月17日 総務委員会にて質疑

2013年12月 総務委員会 猪瀬知事に質疑

特別委員会 委員会質問 平成24年度の決算について

総務委員会 ひきこもり

各会計決算特別委員会  都有地について 10月28日

総務委員会  10月22日

2013年9月 一般質問

13年3月 予算特別委員会 多摩ビジョンほか

12年11月 経済港湾委員会 産業振興、多摩産材活用について

12年9月 定例会一般質問 次世代人材育成ほか

12年6月 文教委員会 スクールカウンセラーについて

12年3月 予算特別委員会 多摩地域の産業振興施策ほか

11年12月 文教委員会 都立高校改革について

11年11月 文教委員会 私立学校への震災対策について

11年11月 スポーツ振興局 東京マラソン財団について
 
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